こだわる飼育法と、伊予ポジョの特徴
               「食楽」2006.10. No.17 徳間書店・発行より転載

[伊予ポジョ]という名の鶏がいる。愛媛県松山の老舗鳥専門店
「くし秀」だけで扱っている希少な鶏だ。
肉質は柔らかく、しなやかな歯応えがあり、淡白ながらも深いコク
と旨みを湛えている。この味わいが、鶏のなかでも特に秀でた美味
しさと、その味を知った者の間で話題となっている。
「伊予ポジョは、20年ほど前にフランスの品種と在来種を交配さ
せ て生み出した鶏です。ほかにはない美味しさに絶対の自信があり
ま す」と語る「くし秀」2代目・森謙治さん。彼は、もともと肉質
の 良い伊予ポジョをさらに味わい深いものにするため、飼育法にと
ことんこだわったという。
与える飼料は、白菜、貝殻、米ヌカなど栄養価の高い天然飼料のみ。
緑豊かで空気の澄んだ自然環境のもと、ストレスなくのびのびと育
てている。飼育期間は、ブロイラーが50日ほどなのに対し、伊予
ポジョの場合は150日〜180日。じっくり時間をかけることで
骨や筋肉が発達した健康的な鶏に育ち、その結果、臭みもなく、質
・味ともに優れた肉になるというわけだ。
「飼育期間が長いことと、身が締まっていて1羽から取れる 肉が
少ないことから、生産量はかなり限られます。手間もコストもかか
って大変なのですが、何よりお客様に美味しいものを届けたいとい
う気持ちが強くあるのです」と森さん。
「伊予ポジョを最良の状態でお客様に直接届けたい」との考えから、
生肉での販売や卸は一切行わず、すべて手作りの加工品にして提供
している。
種類は炭火焼、燻製、ソーセージ、鍋物などと豊富だ。
 
「食楽」NO.17の表紙
  なかでも、子供からお年寄りまで幅広い層に人気なのが「伊予ポジョハンバーグ」。ふんわり柔
らかな食感と、伊予ポジョの優しいコクが口いっぱいに広がる逸品である。
このハンバーグをはじめ、ほかの加工品にも味の要として使われているのが、伊予ポジョからと
った鶏スープ。黄金色に輝くこのスープはほとんど脂肪分を含まず、コラーゲン豊富で健康と美
容に効果的だとか。
「皆様に美味しさと健康をお届けするのが、私の役目だと思っています。伊予ポジョで本物の鶏
の味を堪能して頂きたいですね」